AI出品
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Summary
CtoCマーケットプレイスは、お客さま同士が物を売り買いすることから、一般的なECサイトとは異なる様々な難しさがあります。
メルカリでは、写真撮影・商品説明の記入・価格設定といった出品のための手続きをお客さま自身に行っていただく必要があります。二次流通のマーケットということもあり、商品の状態や価格も含めて全く同じものはありません。そのため、お客さま自ら出品する商品の情報や適切な価格を調べ、出品を完了することはとても手間のかかる作業です。
メルカリでは、誰でも簡単に商品を出品できるために、AIを活用しています。
Purpose
メルカリでは「AI出品」として、出品商品の1枚の写真から、製品名・ブランド・商品カテゴリなどを推定し、出品時に商品情報の入力の手間を減らす機能を提供しています。これらの機能を実現するために、メルカリでは、マーケットプレイスに出品される多種多様な商品を分析した独自のAIカタログを構築しています。
また、梱包・発送手段や、値付けなど、どのようなお客さまでも簡単にメルカリを使って出品、販売するための提案・支援機能を提供しています。
Description
出品時の製品名やブランド、商品カテゴリなどの商品情報の入力支援では、出品商品画像を元に、これまでのメルカリに出品された商品情報に基づいて推定モデルを構築しています。画像データから特徴量抽出を行い、特徴量の類似度から過去の類似の出品商品を抽出し、各種推定を行います。メルカリでは、ファッション、書籍から、日用品、家電製品、車まで多様な商品カテゴリを扱っているため、このような多様なカテゴリを適切に分離し、類似度に応じた距離を表現している特徴量を学習することができるかが大きな課題です。また、製品カタログの写真のような写真はなく、お客さまそれぞれが撮影した画像であるため、同じ製品であっても多様な画像が含まれていること、お客さま自身が記入した商品説明や商品情報には、間違えていたり実際とは異なる情報が記載されているなど、機械学習に用いるラベル情報としての課題も含まれています。
メルカリ上には常に新しい商品が出品され、識別すべきクラス数や特徴情報が追加・更新され続けていくため、特徴量から直接的に製品や製品情報を推定することは困難です。一方で、過去の出品商品の情報を用いる場合であっても、これまで出品された全商品を扱うことは、出品商品量が日々増大し続ける現在の状況下では困難です。季節要因による変動・直近の出品商品の傾向変化などを考慮し、適切にサンプリングを行い、類似検索の商品インデックスを更新し続けていくのかが、各種推定機能の精度を高める重要な要因となっています。
メルカリの機械学習エンジニアチームでは、実際のデータを用い、日々機能改善に取り組んでいます。