パーソナライゼーション

Summary

パーソナライゼーションプロジェクトはメルカリの様々なデータを活用し、メルカリのお客さま一人一人に合った最適なコンテンツを、最適なタイミングで提供できることを目指しています。現在はプロジェクトの一環として、ホーム画面上に表示されるコンテンツの制御を行うプラットフォームの構築・改善を進めています。このようなプロダクトの進化によって、お客さまがそのとき欲しい商品や情報を簡単に発見できるようにサポートしていきます。

Purpose

メルカリでは毎日大量の商品が出品されていますが、そうした商品の中からお客さまにとって最適な商品を提案できると、メルカリの体験はより向上すると考えています。お客さまによって、求めている商品は異なりますが、メルカリが持つ大量のデータを活用することによって、お客さま一人一人のニーズに合った商品を提供することができるようになります。
ニーズに合致する商品を提供することが重要な一方、お客さまご自身では気づかないような新しい商品との出会いを提供することも、メルカリをもっと楽しいアプリにしていくために重要だと考えています。お客さまにとって広い意味での「良い商品」を適切なタイミング、適切な形で推薦できるようにすることがこのプロジェクトの目的となります。

Description

商品レコメンド

メルカリでは大量の商品が日々出品されていますが、レコメンド機能を通してお客さまの素敵な商品との出会いをサポートすることができます。検索機能などでお客さまが欲しい商品を探して見つける以外にも、メルカリがおすすめすることによる商品との出会いも効果的なマーケットプレイスを作っていく上で重要となります。

しかし、メルカリはCtoCの大規模なマーケットプレイスである特性上、古くからeコマース等で使われてきた方法がうまく使えないシーンが多く、従来的なレコメンド手法だと様々な課題にぶつかってしまいます。例えば、メルカリでは出品された世界に一つだけの商品がすぐに売れてしまうため売り切れ商品ばかりが推薦されてしまったり、大量のバラエティに富む商品を扱うため複雑な計算をしようとすると現実的な時間で推薦を行うことができなくなってしまったりということが起こります。こうした課題を解決するために、パーソナライゼーションプロジェクトでは試行錯誤を通してメルカリに合った方法を探ってきました。

現在は以下のように3つのステップを効果的に組み合わせることによってお客さまの興味に沿った商品を効果的にお届けすることを実現しています。

ここでは商品をいくつかのトピックに基づいてグループに分けることにより、従来的な推薦技術の困難を克服しながらお客さまへのよりよい商品のレコメンドを実現しています。

トピックデータとお客さまのデータを活用することでお客さまが今まさに興味のあるトピックを推定し、大量の商品の中からお客さまにとって重要な商品だけを抽出することができます。一定程度トピックに基づき商品を絞り込んだ後は、機械学習手法などを用いてお客さまに適した商品をさらに細かくレコメンドすることができるようになります。加えて、お客さまの興味のあるトピックを推定することによって、商品を推薦する際に「なぜその商品が推薦されているか」という説明をすることができ、よりお客さまにとって親しみやすいレコメンド機能の実現に役立ちます。

このように、このプロジェクトでは大量の商品を効率よくかつ効果的にお客さまに推薦するために、様々な工夫を行いお客さまに適した商品の推薦を実現しています。

ホーム画面最適化

メルカリのアプリには様々なコンテンツや機能がありますが（以降まとめてコンテンツと呼びます）、お客さまそれぞれが今まさに欲しいコンテンツはお客さまによって、さらにはアプリを使うタイミングによって異なります。商品のレコメンドと同様に、そうした異なるニーズを捉え、お客さまのニーズに合った形でコンテンツが届けられるようにホーム画面の最適化を進めています。

ホーム画面はお客さまがメルカリを開いて最初に訪れるいわば玄関口です。いつでも来たいと思ってもらえるようにホーム画面にどんなコンテンツを表示するかは重要な問題です。一方で、商品と同じくメルカリでは非常に多くのコンテンツがあります。例えば「お客さまご自身が過去にいいねした商品」、「メルカリのコンテンツチームが頑張ってまとめた旬な情報」、「お客さまご自身の過去の出品情報」、「データを活用して自動的に生成されるおすすめの商品」などメルカリ内には商品に限らず様々なコンテンツが存在します。

このプロジェクトでは、これら様々なコンテンツについて、お客さまが必要なタイミングで適切なポジションでお届けすることを目指しています。いつでもすぐに利用したいコンテンツはホーム画面のトップ、つまりすぐに目につく場所に配置する必要があります。一方で、たまに使うと楽しい機能はホーム画面をスクロールした先に配置することでより効果的なアプリの体験を提供することができるようになります。このようなホーム画面の制御を行うことで、ホーム画面のパーソナライゼーションを実現していきます。

そのために、パーソナライゼーションプロジェクトではメルカリに存在する様々なコンテンツを整備して統一して扱えるように整備しながら、それぞれのコンテンツとお客さま個々人のマッチングを計算できる仕組みを整えています。現在はバンディットアルゴリズムなどの手法をはじめとして、様々な研究の知見を活かしながらロジックを日々磨いています。