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メルカリAIチームの研究「Layout Optimizer for Personalized Home Screen based on Contextual Multi-Armed Bandit in C2C Marketplace」がRecSys 2023ワークショップに採択されました
概要
この度、メルカリAIチームのエンジニアである紫藤 佑介・柳沼 慎哉・田口 直弥・古澤 智裕、田中 涼による論文「Layout Optimizer for Personalized Home Screen based on Contextual Multi-Armed Bandit in C2C Marketplace」が、国際学会「RecSys 2023(ACM Conference on Recommender Systems)」内の「CONSEQUENCES ‘23ワークショップ」に採択されたことをお知らせいたします。
RecSysは、推薦システムの分野で最も権威ある国際学会の一つであり、世界中の研究者らによって毎年開催されています。開催17回目である今年のRecSysは、シンガポールにて2023年9月18日から22日まで開催されました。
発表内容のポイント
今回の発表ではお客様のメルカリの使い方に基づいて、商品推薦以外も含めた多くのコンテンツの中からより魅力的となるコンテンツを優先的にホーム画面に表示する方法を提案し、その実験結果を報告しました。
今回提案する手法では、どのようなコンテンツがどのようなお客様にとって魅力的かという事前知識を与えず、データ収集の為の探索的な画面表示と機械学習が行われた結果、最適とされた画面表示が自動的に行われ、全体的な満足度を最適化します。
研究の背景
メルカリでは、レコメンデーションチームを始め、複数のチームが、アプリのホーム画面に表示するコンテンツを開発しています。ホーム画面には、商品推薦やキャンペーンの告知など様々な種類のコンテンツが存在し、さらに、同じ商品推薦でも複数の推薦手法や表示方法が存在しています。
お客様によって推薦する商品が異なるのは当然ですが、どのような推薦手法が良いか、キャンペーン告知がどの程度効果的か、という点もお客様によって異なります。
研究概要
メルカリを含めたECサービスにおいて、ホーム画面は多くの閲覧を集める重要な画面ですが、一画面に表示できるコンテンツの量は限られており、魅力的なコンテンツを優先的に上部に置いた画面構成にすることが一般的です。
しかしながら、魅力的なコンテンツはお客様によって異なるため、パーソナライズされた画面構成を行う必要があります。
今回の研究では文脈付き多腕バンディット(contextual multi-armed bandit problem)アルゴリズムを応用した手法を提案し、実験の詳細と結果について報告しました。
発表後のコメント
ML Engineer / Backend Engineer | 紫藤 佑介
今回はポスター発表という形式だったこともあり、時間をかけて、各国の研究者やエンジニアと対面で議論を行うことができました。
特に、企業に所属する開発者や研究者からの、興味を持たれたり、質問を受けたりすることが多く、今回発表した内容が、さまざまな企業で共通する課題であることを感じました。
RecSysでのワークショップを含めた5日間は、非常に有意義なインプットの機会となりました。今後も得られた知見をメルカリの事業に活かし、成果を継続して発信していければと思います。
現地でポスター発表を行ったメンバーの様子
レコメンデーションチームについて
レコメンデーションチームでは、今回の研究のような画面構成に関わる仕組みに加え、メルカリアプリの各画面における商品推薦の品質向上を行っています。